この記事の結論

  • 勤怠管理システムとは、打刻・労働時間の集計・残業や休暇の管理をまとめて行うシステムです。
  • タイムカードやExcelに比べて、集計の手間とミスを減らし、法令対応(残業の上限・有給の年5日)をしやすくなります。
  • クラウド型なら初期費用0円・1人あたり月額100〜300円程度から始められる製品が多くあります。

勤怠管理システムとは?

勤怠管理システムとは、従業員の出勤・退勤の時刻を記録(打刻)し、労働時間・残業時間・休暇を自動で集計・管理するシステムです。現在は、インターネット経由で使うクラウド型が主流で、PC・スマホ・ICカード・顔認証など、さまざまな方法で打刻できます。

勤怠の記録は、給与計算の元データであると同時に、労働時間を適正に把握するための記録でもあります。厚生労働省のガイドラインでは、労働時間はタイムカード、ICカード、PCの使用時間の記録など客観的な方法で把握することが原則とされています。

勤怠管理で記録・管理する主な項目

勤怠管理では、出勤と退勤の時刻だけでなく、次のような項目を日ごとに記録し、月ごとに集計します。

項目内容主な使い道
出勤・退勤時刻始業・終業の打刻労働時間の計算
休憩時間休憩の開始・終了、または休憩の長さ労働時間から差し引く
時間外労働(残業)法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時間割増賃金、上限規制の確認
深夜労働22時から翌5時までの労働時間深夜の割増賃金
休日労働法定休日に働いた時間休日の割増賃金
休暇有給休暇、特別休暇などの取得日有給の残日数、年5日の取得管理
遅刻・早退・欠勤所定の時間との差給与の控除、勤務状況の把握

これらを手作業で正確に集計し続けるのは手間がかかるため、勤怠管理システムで自動化する企業が増えています。

タイムカード・Excelとの違い

比べる点タイムカード・Excel勤怠管理システム
打刻紙のカードや手入力ICカード・スマホ・顔認証・PCなど
集計月末に手作業で計算リアルタイムで自動集計
残業・休暇の管理別の表で管理上限に近づくとアラート、有給は自動付与
外出・在宅勤務打刻しにくいスマホやPCからどこでも打刻
給与計算転記が必要CSVやAPIで給与計算ソフトに連携

たとえば、従業員30名の会社がタイムカードで勤怠を管理している場合、月末に30枚のカードを見ながら残業時間や深夜時間を計算し、給与計算ソフトに入力する作業が発生します。勤怠管理システムなら、この集計と入力の多くを自動化できます。

勤怠管理システムの主な機能

打刻

ICカード、顔認証や指静脈などの生体認証、スマホ(GPSで打刻場所を記録)、PCのブラウザなど、製品ごとに対応する打刻方法が異なります。現場の働き方に合う方法を選ぶことが大切です。詳しくは「打刻方法の比較」をご覧ください。

労働時間の集計

出勤・退勤・休憩の打刻から、所定労働時間、残業時間、深夜労働、休日労働を自動で計算します。シフト制、変形労働時間制、フレックスタイム制などの勤務形態に合わせて設定できる製品もあります。

残業・休暇の管理

残業時間が上限に近づいたときのアラートや、有給休暇の自動付与・残日数の管理を行えます。法令対応については「残業時間の上限規制と勤怠管理」「有給休暇の年5日取得義務と勤怠管理」で解説しています。

申請・承認

打刻漏れの修正、残業や休暇の申請を、システム上で申請・承認できます。紙の申請書を回す手間がなくなり、誰がいつ承認したかの記録も残ります。

シフト管理

希望シフトの提出、シフト作成、共有までを行える製品もあります。アルバイトやパートが多い店舗では特に便利です。

給与計算との連携

集計した勤怠データを、CSV出力やAPIで給与計算ソフトに取り込めます。詳しくは「給与計算と連携できる勤怠管理システム」をご覧ください。

勤怠管理システムを導入するメリット

  1. 集計の手間が減る:月末の手作業での集計がなくなり、締め作業の時間を短くできます。
  2. ミスや不正打刻を防げる:転記ミスがなくなり、ICカードや顔認証、GPSでなりすまし打刻も防ぎやすくなります。
  3. 法令対応がしやすい:残業時間の上限や有給休暇の取得状況をリアルタイムで確認できます。
  4. 多様な働き方に対応できる:テレワークや直行直帰でも、スマホやPCから打刻できます。
  5. 従業員も自分の勤怠を確認できる:残業時間や有給の残日数を、従業員自身がスマホなどで確認できます。

導入時の注意点

導入までの5ステップ

ステップ1:現状と課題を書き出す

いまの打刻方法、勤務形態(固定・シフト・変形労働時間制など)、締め作業にかかっている時間、使っている給与計算ソフトを書き出します。「月末の集計に何時間かかっているか」を数字で把握しておくと、導入後の効果を確認しやすくなります。

ステップ2:必要な条件を決める

「打刻方法」「従業員数」「必須の機能(シフト作成、有給管理など)」「予算」を決めます。必須条件と、あれば便利な条件を分けておくと比較しやすくなります。

ステップ3:候補を2〜3製品に絞る

比較表で条件に合う製品を絞り込むか、無料診断で自社に合う3製品を確認します。

ステップ4:無料トライアルで試す

多くの製品に30日間程度の無料期間があります。就業規則のとおりに設定できるか、現場の担当者が迷わず打刻できるかを確認しましょう。

ステップ5:並行運用してから切り替える

最初の1か月は従来の方法と並行して運用し、集計結果を照合します。差が出た場合は設定を見直してから本格的に切り替えます。

導入前のチェックリスト

勤怠管理システムの選び方

選ぶときは、①打刻方法、②料金の仕組み、③勤務形態への対応、④法令対応の機能、⑤給与計算との連携、の5点を確認しましょう。製品ごとの違いは「勤怠管理システムおすすめ10選を比較」で、公式情報をもとに比較しています。