この記事の結論

  • 勤怠管理と給与計算の連携方法は、CSV連携・API連携・同じシリーズの製品を使うの3つです。
  • 手入力の転記をなくすことで、給与計算のミスと締め作業の時間を減らせます。
  • いま使っている給与計算ソフトと連携できるかを、導入前に必ず確認しましょう。

勤怠管理と給与計算を連携するメリット

連携方法の種類

連携方法仕組みメリット注意点
CSV連携勤怠データをCSVで出力し、給与計算ソフトに取り込む多くの製品で使える出力と取り込みの操作が毎月必要、項目の対応付けが必要
API連携システム同士が自動でデータをやり取りする手作業がほぼない連携できる組み合わせが限られる
同じシリーズ勤怠と給与計算が同じ会社の製品設定が少なく、データがそのままつながるシリーズでそろえる必要がある

連携する主な項目の例

勤怠管理システムから給与計算ソフトに渡すのは、主に次のような月ごとの集計値です。給与計算ソフト側の項目名と1つずつ対応付けます。

勤怠側の集計項目給与計算での使い道
出勤日数・欠勤日数日給の計算、欠勤控除
総労働時間時給の計算
時間外労働時間時間外の割増賃金(25%以上)
深夜労働時間深夜の割増賃金(25%以上)
法定休日の労働時間休日の割増賃金(35%以上)
遅刻・早退の時間遅刻・早退の控除
有給休暇の取得日数有給休暇分の賃金

※月60時間を超える時間外労働には50%以上の割増が必要になるなど、細かなルールがあります。実際の設定は就業規則・給与規程に沿って行ってください。

月次の流れ(CSV連携の例)

  1. 打刻の確認:締め日の前に、打刻漏れやエラーがある従業員に修正申請を出してもらいます。
  2. 承認:管理者が残業や休暇の申請、打刻の修正を承認します。
  3. 勤怠の締め:締め日の翌日などに、その月の勤怠を確定(ロック)します。
  4. CSV出力:給与計算ソフトに合わせた形式で、月の集計データを出力します。
  5. 取り込み:給与計算ソフトにCSVを取り込み、金額を計算します。
  6. 照合:前月と大きく違う従業員がいないか、残業時間の多い従業員の金額は正しいかを確認します。

API連携や同じシリーズの製品なら、4と5の手順を自動化できます。

給与計算と連携できる勤怠管理システム

以下は、給与計算との連携を各社の公式サイトで確認できた製品です(情報確認日:2026年10月16日)。

製品名給与計算との連携(公式の表記)
KING OF TIME各種給与計算ソフトとの連携、同シリーズの「KING OF TIME 給与」
ジョブカン勤怠管理給与計算ソフト連携、勤務データダウンロード、「ジョブカン給与計算」との連携
Touch On TimeCSV出力で給与ソフトに取り込み、API連携している給与・人事システムあり
マネーフォワード クラウド勤怠集計データをワンクリックで給与計算ソフトへ連携
ジンジャー勤怠「ジンジャー給与」とワンクリックで連携、CSV出力、既存の給与計算ソフトとの連携
HRMOS勤怠勤怠データをワンクリックで給与計算に連携、人事労務ソフトとも連携
CLOUZAダウンロードしたデータを様々な給与計算ソフトに取り込み
スマレジ・タイムカード勤怠記録をもとに給与を自動計算(プレミアムプラン以上)

KING OF TIME

KING OF TIMEの公式サイト
出典:KING OF TIME公式サイト(2026年10月16日取得)

各種給与計算ソフトとの連携に加えて、同シリーズの給与計算製品があります。人事労務機能も追加料金なしで使えると公式サイトで案内されています。

マネーフォワード クラウド勤怠

マネーフォワード クラウド勤怠の公式サイト
出典:マネーフォワード クラウド勤怠公式サイト(2026年10月16日取得)

集計データをワンクリックで給与計算ソフトへ連携できます。従業員50名以下の企業向けの製品です。

Touch On Time

勤怠データをCSVで出力して給与ソフトに取り込めるほか、API連携している給与管理・人事管理システムもあると公式サイトで案内されています。

スマレジ・タイムカード

勤怠記録をもとに給与を自動で計算できます。時給・日給・月給に対応し、複数事業所に所属する従業員の交通費や手当も自動計算されます。

製品ごとの機能は勤怠管理システムの比較表の「給与計算連携」で絞り込めます。

連携を設定する手順

  1. いま使っている給与計算ソフトを確認する:連携先として案内されているか、CSVの項目を対応付けられるかを確認します。
  2. 項目の対応表を作る:上の「連携する主な項目」を参考に、勤怠側と給与側の項目を1つずつ対応付けます。
  3. 割増賃金のルールを合わせる:残業・深夜・休日の区分や、端数の処理(1分単位、15分単位など)を勤怠側と給与側で同じ設定にします。
  4. 締め日と支払日を確認する:勤怠の締め日から給与の支払日までに、承認・出力・取り込み・照合の時間が取れるかを確認します。
  5. 初月は手計算と照合する:導入直後は、従来の方法で計算した結果と照合して差がないか確認しましょう。

よくあるつまずきと対策

連携を始めた直後に起きやすいつまずきと、その対策です。

よくあるつまずき原因対策
残業代が前月と大きく違う時間外と所定外(法定内の残業)の区分が勤怠側と給与側で違う「法定内残業」と「法定外残業」を分けて出力し、給与側の項目と対応付ける
数分の差が毎月出る端数処理(1分単位・15分単位など)の設定が違う端数を処理する場所を勤怠側か給与側のどちらか一方に決める
締めた後に打刻の修正が出る締め日までに修正申請が終わっていない締め日の数日前に打刻エラーの確認日を設け、修正を促す
月の途中の入社・退社で金額がずれる日割り計算の扱いが決まっていない入社日・退社日の扱いを給与規程で確認し、給与側で計算する
新しい手当が連携されない項目の対応表を更新していない手当や休暇の種類を追加したときは、対応表も更新する

特に端数処理は、勤怠側と給与側の両方で丸めると二重に処理されてしまうため注意が必要です。どちらで処理するかを最初に決めておきましょう。

導入前のチェックリスト