この記事の結論
- 経費精算システムとは、立替経費や交通費の申請・承認・精算・仕訳までを、システム上で行えるようにするものです。
- 交通系ICカードの読み取りや、領収書のAI-OCRでの自動入力、法人カードの明細連携などで、入力の手間を減らせます。
- 選ぶときは、交通費の入力、領収書の扱い、法対応、会計システムとの連携の4点を確認しましょう。
経費精算システムとは?
経費精算システムは、従業員が立て替えた交通費・出張費・接待交際費などを、申請 → 承認 → 精算(支払い) → 仕訳の流れで処理するためのシステムです。クラウドで使える製品が多く、パソコンやスマホから申請・承認できます。
紙・Excelとの違い
| 比べる点 | 紙・Excel | 経費精算システム |
|---|---|---|
| 申請 | 申請書に手書き・Excelに入力 | スマホやパソコンから入力。領収書は撮影して読み取れる製品がある |
| 交通費 | 経路を調べて金額を手入力 | 経路検索や交通系ICカードの読み取りで入力を減らせる |
| 承認 | 紙を回覧・押印、メールで確認 | 役職や金額に応じた承認ルートでシステム上で承認 |
| 仕訳・支払い | 会計ソフトや銀行の画面に転記 | 仕訳データや振込データを自動で作成できる製品がある |
| 領収書の保管 | 紙のまま保管 | 電子帳簿保存法に沿って電子で保存できる製品がある |
経費精算システムでできること
- 申請・承認:申請の内容や金額、役職に応じて承認ルートを分けられます(マネーフォワード クラウド経費では最大10階層まで設定できると公式に案内されています)。
- 交通費の入力:交通系ICカードの利用履歴の取り込みや、経路検索による金額の自動計算に対応した製品があります。
- 領収書の読み取り:領収書を撮影すると、金額・取引先・日付をAIで読み取る製品があります。
- 法人カードとの連携:法人カードの利用明細を取り込み、領収書と紐付けられる製品があります。
- 仕訳・振込データの作成:申請内容から仕訳データや振込データを作り、会計ソフトや銀行に連携できます。
- 電子保存:領収書を電子帳簿保存法の要件に沿って保存できる製品があります。
導入するメリット
- 処理の時間が減る:転記や回覧、手入力の作業を減らせます。
- 入力ミスや申請漏れを減らせる:経路の自動計算や領収書の読み取りで、手入力による間違いを減らせます。
- 承認が早く進む:外出先でもスマホで承認でき、承認待ちが滞りにくくなります。
- ルールを守りやすくなる:金額の上限や必須の添付などのルールを、システム側で設定できる製品があります。
- ペーパーレスにつながる:領収書や申請書を電子で保管・検索できます。
導入時の注意点
- 従業員に使い方を周知する:最初はスマホでの撮影や申請の方法を、1枚の案内にまとめて配ると定着しやすくなります。
- 承認ルートを先に決める:誰がどの金額まで承認するかを、導入前に整理しておきます。
- 料金の仕組みを確認する:利用人数に応じた月額課金、基本料金+ID料金、領収書の件数に応じた従量課金など、製品によって違います。
- 法対応を確認する:電子帳簿保存法やインボイス制度への対応は、公式サイトで確認しましょう。詳しくは「経費精算システムの電帳法・インボイス対応」で解説しています。
導入の流れ(例)
例:従業員30名・月に150件の経費申請がある会社
- 現状を数える:月の申請件数、承認者の人数、経理が転記・確認に使っている時間を書き出します。
- 課題を絞る:「交通費の入力が大変」「領収書の保管場所がない」など、解決したいことの優先順位を決めます。
- 候補を選んでトライアルする:比較記事や無料診断で2〜3製品に絞り、無料トライアルや資料で確かめます。
- 一部の部署で試す:最初は1つの部署で試し、承認ルートや入力項目を調整します。
- 全社に広げる:案内資料を配り、問い合わせ窓口を決めて、全社で使い始めます。
経費の種類と申請の例
| 経費の種類 | 申請の例 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 交通費 | 電車・バスでの外出、出張 | 区間、日付、定期券区間の控除 |
| 出張費 | 宿泊費、日当 | 事前申請との紐づけ、上限額 |
| 接待交際費 | 取引先との会食 | 参加者、目的、領収書 |
| 消耗品費 | 文具、備品の立替 | 領収書、インボイスの登録番号 |
| 通信費・その他 | 郵送費、会費など | 領収書、勘定科目 |
料金の仕組みの種類
経費精算システムの料金は、主に次の仕組みに分かれます。
| 仕組み | 内容 | 公式サイトで確認できる例 |
|---|---|---|
| 利用人数に応じた月額 | 申請する人数に応じて料金が変わる | マネーフォワード クラウド経費(50名以下は年払い月額2,480円〜)、ジョブカン経費精算(1ユーザーあたりの月額課金) |
| 基本料金+ID料金 | 基本料金に、利用するIDの料金が加わる | freee経費精算 |
| 月額の下限+従業員数連動 | 月額に下限があり、従業員数で変わる | 楽楽精算(月額3万円〜) |
| 従量課金・問い合わせ | 領収書の件数などに応じて見積もる | TOKIUM経費精算、SAP Concur |
同じ人数でも、料金の仕組みによって総額が変わります。申請する人数と件数で試算して、初期費用も含めて比べましょう。
導入前のチェックリスト
- 月の申請件数と承認者の人数を把握したか
- 解決したい課題の優先順位を決めたか
- 承認ルートと金額の上限を整理したか
- 料金は利用人数で試算したか
- 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応を確認したか
- 会計ソフトとの連携方法を確認したか
製品ごとの違いは「経費精算システムおすすめ7選を比較」で、公式情報をもとに比較しています。
